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『忘己利他(もうこりた) 』

『忘己利他(もうこりた)

 

忘己利他は、自分を捨てて、他に報いることです。

 

これは天台宗宗祖伝教大師最澄 の山家学生式に

「 己 を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」からきています。

 

そして、 その前に「好事を他に与え、悪事を己れに向え」とあります。

 

これは、いいことは人 にあげ、悪いことはみんな自分に引き受け、自分の幸せは忘れ、人の幸福のために尽 くすのが慈悲の最高のものだというのです。 

 

伝教大師・最澄は日本天台宗の開祖です。

 

その最澄が、いまから約 1200 年前に、 小乗仏教の戒律を捨て、大乗仏教の戒律だけをとることを決意したときに、その理論 づけとして書きあらわしましたものが「山家学生式」です。 

 

 人間は性として、どうしても自分中心に物事を考えてしまうことがあります。

 

もっ と欲しい、こうして欲しい、とまわりに望むことが多くなりがちで、我欲が先立ちま す。

 

自分のことは後にして、まず人に喜んでもらうことをする。

 

そこに幸せがあるの だということは、口で言うのは簡単ですがそれを実践することは、相当に大変なこと です。

 

しかし、この意味を十分に理解し実践出来たならば、本当の幸せをつかむこと が出来るかもしれません。 

 

 

忘己利他は、読み方の区切りが悪いと「もう、こりた」という読み方になってしま います。

 

いくら自分が他者に尽くしても、それが相手に伝わらないとガッカリしてし まいます。

 

それは自分の心の何処かに、相手に対し見返りを求めている心があるから です。

 

また、親切の押し売りや相手の事を考えない行動は、自分が良かれと思っても 相手にとっては大迷惑なことになってしまいます。

 

これらを考えずに、自分勝手にも う懲りた、もうするものかと思ってしまうのが人間ですが、相手の事を考え「もう懲 りた」ではなく「忘己利他」を忘れないで行きたいものです。