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坂本龍一さんの「遺言」

46億年前生まれた私たちの地球。
やがて、森林で覆われた緑豊かな星になり、たくさんの命が生まれた。
ところが、約1万年前から定住を始めたヒトは、森林を伐採して生活をつないだ。
黄河流域を含む世界四大文明の地にはハゲ山が目立つ。
そして、18世紀の産業革命。
その急激な工業化は、地球温暖化などの環境の弊害をもたらし、森林は減少し、海は汚染され、生物多様性は危機に瀕している。
このような様々な命を育んできた森林を救うために「more trees」という森林保全団体を立ち上げていた。

 

坂本龍一さん。

この3月から工事が始まった明治神宮外苑の再開発に反対をして、次のような内容の手紙を小池百合子東京都知事宛てに出された。

この3月に71歳で亡くなる約1か月前のことである。 

 

「率直に言って、日の前の経済的利益のために先人が100年をかけて守り育でてきた貴重な神宮の樹々を犠性にすべきではありません。これらの樹々はどんな人にも恩恵をもたらしますが、開発によって恩恵を得るのは一握りの富裕層にしか過ぎません。この樹々は一度失ったら二度と取り戻すことができない自然です」

「いま世界はSDGsを推進していますが、神宮外苑の関発はとても持続可能なものとは言えません。持続可能であらんとするなら、これらの樹々を私たちが未来の子供達へと手渡せるよう、現在進められている神宮外苑地区開発計画を中断し、計画を見直すべきです」

 

坂本さんは、ご自分が住んでいるニューヨークのブルームバーグ元市長が2007年に100万本の木を植えるプロジェクトをスタートさせたことも引用して、熱い思いを書いている。

そして、同趣旨の手紙は、小池都知事のほか、永岡桂子文部料学大臣、都倉俊一文化庁長官、吉住健一新宿区長、武井雅昭港区長らにも送られている。

いわば坂本さんの「遺言」である。

 

新宿高校出身の坂本さん。この外苑界隅はその頃から馴染みの地であり、日本での闘病中、何度も訪れていたそうだ。

先日、私もそこを訪ねた。問題の森は思いの外広い(隣接する解体中の神営第二球場の半分程の広さ)。

しかし、その樹々は周囲を高い堀で囲まれ、立ち入ることも、中を伺うこともできなかった。囲いの中では、しきりに蝉が鳴き、それは助けを求める樹々の声でもあった。

この9月以降に伐採予定だそうだ。

現物では抗議集会も開かれ、また、国際影響評価学会(IAIA) 日本支部はこの工事の環境アセスメント手続に問題があるとして、東京都に対して工事の一時停止勧告をしている。

この緑を残そう。

 

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坂本龍一さんのこの記事を読んでありがたい言葉だなとそれに我々この記事を目にして私の心が熱くなりました。

最後にこのお手紙を皆さんに伝えてお亡くなりになったことが本当にすごい事だと思います。

 

坂本龍一さま

私の出来ることを今関わっているプロジェクトで森林保全を精一杯させて頂きます。

ありがとうございます。